Optimal Biz機能紹介 –iOS端末のキオスク化を実現するシングルAPPモード機能をご紹介

昨今、街中で目にすることが増えてきた飲食店のセルフオーダーやレジなどiPad/iPhoneを利用したキオスク(KIOSK)端末ですが、MDM(モバイルデバイス管理)から設定できることをご存知でしょうか。
今回は、iOS端末において一台ずつ設定していたキオスク端末運用を、MDMを用いることで複数端末の一括設定もできる「シングルAPPモード」機能についてご紹介いたします。

※キオスク端末:店舗や公共施設、鉄道などに設置されている自立式の小型情報端末を指します。サービス情報や各種支払、手続きなどで用いられ、有人に代わって多くの利用者の対応に利用されています。
キオスク端末の詳細は以下記事をご参照ください。
https://www.optimalbiz.jp/blog/kiosk-device/

今回は「シングルAPPモード」機能についてご紹介いたします。

「シングルAPPモード」の概要

シングルAPPモードは、iOS端末やiPadOS端末で起動できるアプリを1つのみに制限する機能です。設定を行うとホームボタンを押下しても指定したアプリからホーム画面および他のアプリへ遷移できなくなり、アプリの使用を限定することができます。
加えて、タッチ操作の無効や音量調節ボタンの無効、自動ロックの無効設定することもできます。設定を管理者が遠隔から複数の端末に向けて一斉に行うことができるというのが、MDMからシングルAppモードを利用する一番のメリットになります。

「シングルAPPモード」のユースケース

店頭の従業員が端末を会計のために使用する

多機能なiPhone/iPadを使って業務を行う際、必ずしも端末が有する機能全てを使う必要がないケースも存在します。業務で利用する会計、POSアプリなど特定のアプリのみを起動させて、他のアプリの操作や設定の変更などを行えなくすることで、 業務に関係ないアプリの利用を防ぐだけでなく、誤った操作により使いたいアプリが表示できなくなるトラブルを防ぐことができます。
※POSアプリ:POSレジの機能が利用可能になるアプリケーション

客室でお客様に端末をご利用いただく

ホテルの客室に館内案内アプリのみ起動させ、従業員の目が届かない端末も安心してお客様にご利用していただけます。
Optimal Bizを利用して遠隔からシングルAPPモードを設定する場合、従業員が都度再設定する工数を削減できます。また、解除パスコードの設定忘れなどによる第三者からの不正操作を防ぐことができます。

展示会・お店で動画を流す

画面のタッチ操作と音量の調整ボタン操作を無効にすることで、展示会やお店などで展示品説明や商品宣伝動画を流し続けることが可能です。シングルAPPモード設定時にタッチ操作の無効や音量調整の無効も可能なため、お客様が誤って触った際に、動画が止まる、音量が変わってしまう問題を防ぐことができます。

「シングルAPPモード」運用の注意点

運用時に注意するべき2つのポイントについて解説いたします。

キオスク端末の利用者の操作を予め想定して制限設定を行う

利用者が該当端末を操作して何をさせたいのかを想定し、事前に制御する内容を決める必要があります。制御が不十分だと、本来の適切な運用ができず、思わぬトラブルに繋がる可能性があります。
例えば、動画を再生し続ける運用の場合、ユーザーに動画停止されてしまうことを防ぐために、「タッチ操作の無効」、「スリープ/スリープ解除ボタンを無効」「自動ロックを無効」といった設定をすることができます。
一方で、「タッチ操作の無効」の設定をしていると、端末で動画の再生ボタンを押下する事もできません。そのため、動画再生ボタンを押した後に、「タッチ操作の無効」を割り当てる必要があります。

制限設定のかけすぎにより端末が使えなくなる場合がある

どの程度まで制限をかけるのか決めておく必要があります。しかし、設定のかけすぎにより運用ができなくなってしまうケースがあります。
例えば、端末にWi-Fiの接続設定(Wi-FiアクセスポイントAのみ接続可能な設定)制限をかけた後、Wi-FiアクセスポイントAが使用できない状態になると端末が通信できなくなってしまいます。端末が通信できなくなると、MDM側からの設定変更やリモートワイプもできなくなってしまいます。このような状態に陥ってしまった際に端末側に端末初期化を制限をかけていた場合、端末の復旧ができなくなってしまうケースも想定されます。
このような状態を回避するために、端末の通信経路の確保が重要になります。下記の運用上の考慮を行うことをおすすめします。

  • 許可しているWi-Fiアクセスポイントと同じ設定の無線環境を用意し通信可能な状態にする
  • 予め緊急対応用の Wi-Fiの接続設定を配布しておき、万が一の際に接続できる状態にしておく
別の方法として、端末をPCもしくはUSBなどのアクセサリー経由で有線ネットワークに接続する方法もあります。
ただしこの方法は、USBアクセサリーの接続制限設定を行っている場合、使えないケースがあるためご注意ください。

シングルAppモードの設定方法のイメージ

シングルAppモードの設定方法

Optimal Bizの管理サイトから以下作業を行います。

①管理したい端末をOptimal Bizに登録する

以下いずれかのキッティング方法により端末を監視対象モードにして頂く必要があります。

  • Automated Device Enrollment(ADE)を用いたキッティング
  • Apple Configurator(AC) を用いたキッティング
    ※監視対象モードは、Appleが提供する法人向け端末管理をサポートするためのWebポータルApple Business Manager(ABM)に含まれる動作モードの一つです。

    管理対象モードの詳細は以下記事をご参照ください。
    https://www.optimalbiz.jp/blog/supervised-mode/

    ※Automated Device Enrollment(ADE)は、Appleが提供する企業向けiOS端末導入支援サービスです。ADEを利用することにより、導入作業の簡略化、導入コストの削減、セキュリティ管理機能の向上とiOS端末の業務利用における課題を全て解決することが出来ます。

    ADEの詳細は以下記事をご参照ください。
    https://www.optimalbiz.jp/blog/dep-start-guide/

②起動させたいアプリを「アプリケーション配信」機能で「管理アプリ」として配信する

Optimal Bizを用いることで複数の端末に該当アプリを一括で配信することが可能です。
設定手順は、[設定]→[iOS]→[アプリケーション]→[アプリケーション配信]に進み、アプリケーションを指定する際に、「管理」の[有効]にチェックをいれて頂く必要があります。

③「シングルAPPモード」の設定を行う

設定手順は、[設定]→[iOS]→[アプリケーション]→[シングル APP モード(監視対象のみ)]に進みます。シングルAPPモード設定時に、機能オプションでタッチ操作の無効や音量調整ボタンを無効に設定することが可能です。

④作成した設定を該当の機器または組織に割り当てる

組織に紐づける場合の設定手順は、[組織]→該当組織を選択→[iOS設定]→該当するアプリケーション配信設定を選択の順に進みます。
機器に紐づける場合の設定手順は、[機器]→該当端末を選択→[設定の割当]→該当するアプリケーション配信を選択の順に進みます。

動作環境

本機能(シングルAPPモード)は、iOS/iPadOSでご利用いただけます。

※Androidの場合、Optimal Biz Gadgetから設定/ご利用いただけます。

Optimal Biz Gadget – Android向けキオスクアプリ | Optimal Biz

その他にiOSで使える機能は以下からご確認ください。

https://www.optimalbiz.jp/solutions/ios/

トライアルのご希望やご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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